更新日:2022年03月31日

夏は、年始めの正月に対し、お盆を中心にいくつかの行事がおこなわれる季節です。神社祭礼としては、世久見集落で弁天社祭礼が7月中旬、日笠・堤集落で祇園祭りが7月下旬に行なわれます。お盆の期間には、六斎念仏、万灯、灯籠流し、盆踊り、精霊舟などを行なっている集落もあります。

祇園祭り

京都八坂神社の祇園祭りの流れをくむ当祭りは7月最終日曜日に日笠の廣嶺神社と堤の波古神社で行なわれています。

前夜の宵宮には棒振太鼓や子供太鼓が神社などで行なわれます。祭礼当日の夕方、神社での儀式が済むと神輿が境内に安置され、神輿を前にして宮世話により王の舞と獅子舞がそれぞれ簡単な動きで舞われます。

祭礼当日に神社境内等で神楽、大太鼓、棒振りが行なわれます。

六斎念仏

六斎念仏とは、鉦(かね)(かね)や太鼓に合わせて念仏を唱え、多くの踊りをも伴う「踊り念仏」の一種で仏教の信仰行事。8月のお盆を中心に行なわれています。
昭和57年の調査では、旧上中町と旧三方町の14集落で伝承されていましたが、現在では旧上中町の4集落と旧三方町の4集落の8集落でだけとなっています。

瓜生

瓜生に伝わる六斎念仏は、鉦を打ち鳴らしながら念仏を唱え、それに合わせて踊り手が手に持った太鼓を打ち踊るもの。少なくとも江戸時代の1650年頃より前に伝わったとされています。今は小・中学生や行事を継承している保存会の会員らが携わり、2日間かけて集落内の お寺や各家などを回ります。

三宅

三宅に伝わる六斎念仏は、およそ600年前に一遍上人(いっぺんしょうにん)により念仏踊りとして京都から伝来(でんらい)したとされています。8月13・14日の両日には、集落全戸を分担して廻ります。各家の仏壇の前で輪をつくり、大人の念仏の音頭で鉦(かね)に合わせて子ども達が「今(いま)ばい」を踊ります。新仏(しんぶつ)の家では青年たちが「獅子」を踊ります。

万灯(まんだい)

《迎え》万灯は、お盆を迎えた8月13日あるいは14日に藤井、南前川で、仏を送る《送り》万灯は16日に藤井、南前川、北前川で行なわれています。井崎では14日の夜、六斎念仏の後に同様の「まんどり」が行なわれ保存会、子供会により、まんどり太鼓や松明をかざして先祖の霊を迎えます。また8月16日に送り念仏の後、三方湖辺の鳥浜及び水月湖辺の海山で行われています。

灯籠流し

灯籠流しは、以前は旧鰣川で行われ、昭和37年で一時途絶えていましたが、57年に青壮年会により鳥浜貝塚公園を会場に復活されました。灯籠(環境にやさしい組み立て式)は、前日浄蓮寺で念仏をもらい各家庭に配布し、当日の夕方、現地で灯籠を組み立て、ロウソクに火を点け鰣川に流されます。なお、この灯籠流しは納涼祭のイベントの一環として行われ、会場には飲食物の出店等が出て、やぐらの周りではシナ踊り(県指定無形民俗文化財)等が踊られ、最後に花火が打ち上げられ、区民はじめ多くの人で賑わう恒例行事になっています。

盆踊り

以前は、各地の神社境内や集落センター広場などで帰省客が多い盆の時期などで盆踊りあるいは流行踊りが行われていました。また、この踊りの企画は青年団などが行い若者の交流の場でもありました。近年では少子化などの影響により少なくなり、区民納涼祭などの中で伝統の盆踊りが行われている集落があります。

精霊舟(しょうらいぶね)

8月16日の送り施餓鬼の後に行なわれる精霊舟は町内では常神半島の塩坂越、遊子、小川、神子集落で行なわれていましたが、現在では遊子、神子集落で行なっています。なお、三方湖辺の成出、田井野集落の家々では供物を小さなワラ舟に載せ湖、川に流す名残りが先祖送り、精霊送りに見られます。

送り盆(人形もやし)・地蔵盆(地蔵祭り)

当日の朝から人形立て当番(4人)により十字形に青竹が組まれ(高さ4~5メートル横3メートル程)、この竹組みに区民提供のワラ束やススキを巻きつけながら太くし大の字で裾を大きく広げたワラ人形が完成します。
午後7時30分頃から大蔵寺で送り盆の施餓鬼法要が行なわれ法要が済むと観音堂前で青年会により太鼓囃子が奉納されます。
その後、決められた道中行列を組み、途中清水川馬場で囃子を奉納し人形が立てられる「山の端馬場」へ向かいます。

青年会が道中行列を組み、大蔵寺を出る頃になると一般の人々は各家から持ってきた「たいまつ」(茅)に新兵衛さん下の地蔵さんで火をもらって点火します。
三々五々に各自が火のついた「たいまつ」を持ち歩いて集落はずれの遠土地川に向かい
人々はここで「たいまつ」を燃やし、団子、線香を供えて合掌、読経を行ないます。
その後、人々は人形もやしを行なう「山の端馬場」に移動します。

送り盆が済んだ8月23・24 日頃に16集落で地蔵盆が行なわれています。
この中で、大鳥羽、三田、長江、新道、神谷、兼田、玉置集落では子ども達が中心となって地蔵盆が行なわれています。集落によっては「地蔵祭り」とも呼ばれます。

三田

長江

新道

神谷

兼田

玉置