お正月

更新日:2022年03月31日

各家や各集落の神社仏閣では大晦日までに鏡餅を供え、注連縄を張り、門松を立てる等をして正月を迎える準備をし元旦を迎えると人々は敬虔な気持ちでお宮さんやお寺さんに初詣を行ないます。正月は大正月(元旦を主とする)と小正月(15日を主とする)の行事に分けることができます。

戸祝い・キツネガリ

小正月の15日を中心に各集落では決められた場所で「どんど」を行ない門松や注連縄などの正月飾りを焼いて正月に迎え歳神様を炎とともに送り出し無病息災を祈ります。この「どんど」の前日14日を中心に「小正月の訪問者」といわれる子どもが主役の戸祝い・キツネガリが行なわれます。

現在は海山、小川、大鳥羽、海士坂、三生野、三田、持田、長江、下吉田、上吉田、神谷、杉山、兼田、武生、玉置、上野木の16集落で伝承されています。

持田では子ども達(小学生、幼児)が区民の無病息災や五穀豊穣を祈願して、バイ(小判・米俵・蔵・鍵等の絵が描かれた20センチメートル程の棒)を持ち熊野神社に参集しお参りします。

南から北へ集落の全戸を回り各家の玄関前に用意された丸太等をバイで叩きながら「祝いましょう今年の年はめでたい年で…」と歌います。

どんど

どんどは小正月の1月15日に近い日に町内各地で行なわれています。神社境内などの決められた場所に各家の注連縄や松飾りなどを持ち寄り燃やし1年の無病息災などを祈ります。

向笠

伊良積

小川

斎神社綱打ち神事

小正月の1月第2日曜日、有田の斎神社で1年の家内安全と豊作を祈願して、綱打ち神事が行なわれます。

綱打ち式は、午前中の各戸代表参集による社務所での神事、直会が済んだ後の午後に舞堂で、区民総出で行なわれ、30数束の稲ワラ(毎年秋に収穫後の稲ワラを束ね乾燥し、舞堂に保管)が準備されます。大綱はワラと縄のみ使用され、ワラ束は12把(閏年は13把)が使用され最初に頭を作って、御神酒を注ぎ祈願されます。

大綱は、左の三つ撚りとし、それぞれの綱に男達が分かれ(中央にリーダーが立ち、3本の綱にそれぞれ3~4人がつく)撚りをかけ上げながら、作業に合わせた掛け声で賑やかに作られ、途中社務所で3回程の休憩をはさみながら4時間程かけて出来上がります。大綱の全長は7間(12.6メートル、閏年は7間半)中間に、玉鐘が2箇所作られ直径は1尺(約30センチ)あります。

夕闇が迫る中、大綱が出来上がると謡「千秋楽」の後、大綱が男達により舞堂から下ろされ、掛け声とともに集落内を曳き回され、五穀豊穣を祈願し各家を訪問します。その後、綱は舞堂に「八の字」のように安置され、どんどの朝に燃やされます。